野茨や民の怒りと競い咲く | かぎやで風・NPO法人クリオン虹の基金

遠い人にも身近な友にも[コラム]~~かぎやで風~~

石を踏んだ足の痛みではなく、踏まれた石の痛みに軸足を置きながら、その折々、考えたこと、言うべきことを記します。

野茨や民の怒りと競い咲く【No.287】

2017.06.21

〈夏至〉2017/06/21
 6月15日(金)、この日を忘れないでおこう。国民が国家権力によって監視されることが自由に許される法律「共謀罪」が成立した日である。
 法律の大義は犯罪を計画段階で処罰することができる「共謀罪」を盛り込んだ「テロ等準備罪」を新設した改正組織犯罪処罰法が、自民、公明、日本維新の会などによって成立した。
 この法律は国会審議の中でも、担当法務大臣自身が、処罰対象事項や対象の説明さえ明確に答弁できない、とにかく広く網を打つ法律を成立させ、その執行にあたっては検察、警察が恣意的に執行できるような監視社会にして、国民の思想、言論、集会、結社の自由をしばってしまう目的を持つ法律である。
 このような危険な法律が、参議院の委員会採決を省略して、いきなり参議院本会議で強行採決してしまった。憲政史上でも全く異例の暴挙と言える。
 この法律の提案時から盛んに与党側が口にしていたのは、2019年のラグビーワールドカップ、2020年東京オリンピック・パラリンピック開催を安全な環境下で開催し、テロに対して国際社会と協調する必要があると世論を誘導してきた。この誘導策があざといのはオリンピック・パラリンピックを掲げれば、多くの国民は理解の有無にかかわらず容認度が高くなると踏んだ。しかし、法案をしっかり読み込んでいくと、「共謀罪」で罪に問われる227項目に、「テロ」は1条もないのである。国民はとんぶりに大盛りにされたような「組織犯罪処罰法」を、まず、精読することはない。知らされているのは、政府側の噓だらけの説明である。そのため、自分はこの法律の対象にはなることはないと思い込んでいる。ところが、あなたのメールや日常生活すべてが、監視と捜査の対象となる。なぜなら、国民の中にもぐりこんでいるかも知れない「テロ準備者」を探り当てるのには、最初から対象者をピインポイント対象者を絞り込むことはできないはずである。この法律の成立は、間違いなくわが国が国家権力による「監視社会」の到来となる。
 その実例が沖縄ですでにはじまっている。新基地建設に反対する市民への機動隊の排除方法は次第に暴力度がエスカレートしており、反対市民運動のリーダー山城博治さんを、微罪容疑にも関わらず、家族との面会さえ許さないまま五ケ月の長期にわたって勾留することにも表れている。
この国の民主主義が蝕まれはじめている。
 安倍政権は「戦後レジームからの脱却」の旗を掲げ登場してきたが、その間、平和国家の礎を少しずつ抜き取る長期的戦略をもって突き進んできた。 
 この政権によって成立した主な法改正を振り返ってみよう。「教育基本法の全面改正」を手始めに、「防衛庁の防衛省昇格」「国家安全保障会議の設置」「特定筆充保護法の制定」「防衛整備移転三原則」「TPP加盟」「安全保障関連法」そして、「改正組織犯罪処罰法」を成立させた。残る課題の本丸は日本国憲法改正である。安倍政権が描くこの国のグランドデザインは戦前への回帰そのものである。
 選挙制度の問題はさておき、自民党に圧倒的議席を与えると、どのような政治が行われるのか、国民は目が覚めたであろう。そして、「平和の党」を標榜し続けてきた公明党に一言。今度の終盤国会で見せた醜態にはあきれ果ててしまいました。政権与党にすり寄っていると、そんなにも旨味のおこぼれに与れるのですか。都議会議員選挙が近づくと、これまでのパートナー自民党とも、いとも袂を分かち、都民ファーストの小池百合子都知事と手を握る。人間社会には「信義」という道徳律があります。あなたたちは宗教団体が母体であるに、政治の場面では恥や外聞はないのですか。今、あなたたちの姿は、誠に品のない政治社会の利権亡者に見える。
 さあー、今こそ、国民は選ぶことに責任を持つべき時はありません。
次回の7月7日はフィリピンのフィリピン大学医学部レイテ分校の卒業式に招待されていますので休筆します。後日、フィリピン報告をいたします。

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