空蝉やレイテの汀時たぐる | かぎやで風・NPO法人クリオン虹の基金

遠い人にも身近な友にも[コラム]~~かぎやで風~~

石を踏んだ足の痛みではなく、踏まれた石の痛みに軸足を置きながら、その折々、考えたこと、言うべきことを記します。

空蝉やレイテの汀時たぐる【No.288】

2017.07.23

〈大暑〉2017/07/23  288
7月1日から8日まで、NPO法人クリオン虹の基金の5人でフィリンピンへ行って参りました。今回の訪問目的は、皆様から寄せられた 奨学金100万円をサンバリ財団へお届けすることと、7月4日のフィリピン大学SHS第38回認可式に学部長からの招待状を受けたことによって計画された。
「奨学生の一人でフィリピン、パラワン、クリオンの医学生オディン・ダヤグ氏も卒業生の一人であり、この喜ばしい席に、寛大なご支援を賜った貴殿をお招きいたしたくご案内申し上げる次第です。貴殿の御来臨により、ダヤグ氏と家族はもとより、氏の地元やSHS全体にとって、この式典がより意味深く記念すべきものとなることは間違いありません。
マニラ フィリピン大学 レイテ、パロ、健康科学学部学部長SALVADOR ISIDRO B. DESTURA,MD MPH 氏から招待状の文面である。
 また、卒業式には前厚生大臣JAME Z. GALENZ TAN, MD,MOH氏、フィリピン大学医学部学長CARMWNCTTAD.PADILLA,MAHPS女史も臨席し、卒業生たちの卒業証書を受け取る晴れやかな顔と、これから地域向かう決意が力強く披露され、実に厳かな式典であった。そして、その席で私は次のようなスピーチを同時通訳で述べたが、学長から大学のニュースレターで掲載したいとの要望で、英文全文を通訳穴田久美子さんから届けられることとなった。
●2017/07/04 フィリピン大学レイテ分校卒業式 奨学金贈呈式出席
「大学卒業式のスピーチ」
「列席の皆様、おはようございます。第38回フィリピン大学卒業式(認可式)にお招きいただき感謝を申しあげます。私はこの学校の卒業式で、ご挨拶を申しあげるのは、2011年以来、六年ぶりです。
そして、本日、SHSで一生懸命学ばれ、フィリピン各地に出向き、国民の健康を守るための現場に向かわれる皆さん、ご卒業おめでとうございます。
 特に、私にとって、喜ばしいのは、奨学金受給者の中から、第一号の医師オディン・ダヤグ氏が生まれたことです。おめでとう。
人は誰でも生まれたときから、存在する意味を持たされます。そして、誰もが公平で自由な夢を持ち、その実現へ向けて努力します。
しかし、病気は時として、多くの苦しみと涙を人に与えます。不安と肉体的苦痛や社会的挫折が、どのようなものであるかを、自分で経験した人は、痛みや苦しみ、そして、悲しみを知る者です。
だからこそ、自分以外の人には、決して、同じ苦悩を体験させたくないと望んでおり、わたしもそのひとりです。
クリオン虹の基金の 奨学金制度は、日本政府からハンセン病患者だった私への賠償金によって創設されました。この基金はフィリピン共和国サンバリ財団によって管理され、フィリピン国立大学医学部・レイテ校から推薦された学生に付与されます。
医学は人間を苦悩と挫折に追いやるものと闘い続けてきました。クリオン虹の基金から奨学金を受ける資格持つ者は、何よりも人々の命を愛し、人間を苦しめる病気に立ち向かう勇気と情熱を持つ学生に与えられることでしょう。
本日、卒業される皆様に、私からお祝いのメッセージとして、中国の哲学者ジェームス・イェン(晏陽初)の詩を贈りたいと思います。
「人々の中へ」
人々の中へ行き、人々とともに住み、人々を愛し、人々から学びなさい
人々が知っていることから始め、人々が持っているものの上に築きなさい
しかし、本当にすぐれた指導者が、仕事をしたときには、
その仕事が完成した時 人々はこう言うでしょう。「我々がこれをやったのだ」と。
ありがとうございました。また、お会いできるよう神様にお祈りします。
次回はクリオン島訪問とマニラ市の戦跡イントラムロス訪問などについて、立秋の8月7日に報告いたします。

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