菱刈に触れて去年事(こぞごと)たぐり寄せ | かぎやで風・NPO法人クリオン虹の基金

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石を踏んだ足の痛みではなく、踏まれた石の痛みに軸足を置きながら、その折々、考えたこと、言うべきことを記します。

菱刈に触れて去年事(こぞごと)たぐり寄せ【No.292】

2017.09.23

〈秋分〉2017/09/23
 北朝鮮の核実験とミサイル発射にJアラートを鳴り響かせて、国民の危機感をあおり、内閣支持率が不支持を上回ったことを好機と見たのか、国連総会出席を前に、意味深なコメントを残してニューヨークークへ旅立った。このコメントを、マスコミは「臨時国会冒頭解散、12月選挙」と一斉に報道し、政局は一気に選挙モードとなった。
 わずかひと月前に「仕事内閣」と、冠までつけ内閣改造したばかりなのに、何の仕事をしないまま、解散とは余りに、国民を愚弄する話はない。もともと、臨時国会開催は、政府自らが、森友・加計・日報隠蔽問題を、国民に丁寧に説明するための臨時国会と、多くの国民は期待していたはずである。それを臨時国会冒頭で解散をするとは、これほどの党利党略による解散は近代見たことがない、政権は余程、森友・加計・日報隠蔽問題が国民の知ることになるのを恐れたのか、民進党の体制の遅れと、小池新党の準備不足を、「今が絶好の好機!」と、判断しての選択であろう。
 自民党と公明党はすで選挙公約の策定に入った。伝えられている自民党の選挙公約には、憲法9条に第三項を加える「憲法改正」を掲げるという。いよいよ、牙と爪をむき出した。従って、今回の衆議院選挙は、わが国の岐路を問う選挙になる。さあー、われわれは、この暴挙にどのような立ち向かい方をすれば良いのだろうか。残念ながら野党第一党の民進党の腰が、未だに据わらない。
 国民が望んでいる政治選択は、一刻も早く安倍政権の暴走を止めたいという願いであり、まず、自公政権とその補完政党に、なんとしても、2/3の議席数を与えないということである。万が一、今選挙で安倍政権を引きずり下ろすことになれば、これ以上の喜びはないが、現実的には自公政権から政権奪取となるのは、まず考えられない。
そこでだ、前原委員長に問いたい。「あなたは本気で安倍政権打倒を目指しているのか!!」
 あなたが、自公政権や同盟が喜ぶ「政権構想が違う共産党とは組まない」と、繰り返して主張していることは、一般国民の願いとは反するものである。
 「小異を捨てて大義を選ぶ」。民進党の最良の選択肢はこれ以外にはない。
 前原委員長よ! 民進党の支持率を冷静に見てもらいたい。今の姿勢にこだわっていれば、ますます民進党は少数政党となり、党内分裂による自壊は免れないであろう。
 さて、近年まれに見る番組が放映された。NHKスペシャル・スクープドキュメント「沖縄と核」(9月10日放送・9月19日再放送)である。まさに沖縄が今もあえぎ続ける米軍基地問題の原点を見せつけられた。この番組は、報道に携わる人の立ち位置の基本である真実を探り当て、国民に知らせる責任の本道を示したと評したい。
 1950年代アメリカは、北朝鮮や中国を対象とする核戦略の拠点として沖縄の基地拡張を推し進めた経緯か暴かれた。アメリカの施政権にあった沖縄では、アメリカ軍が必要とする軍用地は、農地であろうが、住宅地であろうが、ブルドーザーで破壊し、ガソリンで焼き、鉄条網を張り巡らした。これが、今のアメリカ軍基地である。ネット右翼の諸君! ヘイトスピーチを叫んでいる諸君、しっかりこの歴史の事実を見なさい!!
 この番組で明らかになったことに、当初、核ロケット砲オネストジョンは、日本本土配備を計画されたが、ビキニ環礁水爆実験の日本漁船被曝により、日本全国で原水爆反対運動が沸き起った。そのため、核兵器の本土配備をあきらめ、全海兵隊を沖縄移駐とセットで、さらに沖縄の米軍基地を拡張し、核武装の拠点とした。
 駐留米兵の証言によれば、沖縄に配備された核兵器は最大1.300発で、照準は中国・北朝鮮にセットされ、1962年のキューバ危機時には、いつでも打ち出せるよう、発射ボタンは「HOT」の赤燈に変わり、いつでも打ち出せる危機的状況にあったという。
 伊江島では日常的にレーダー捕獲をかいくぐる低空で目的地まで飛行し、急上昇して核爆弾を投下するLABS(低高度爆撃法)訓練が日夜繰り返されていたという。「命ど宝資料館」には、その時の模擬核爆弾が展示されている。また、1959年、那覇基地配備の核搭載ナイキハーキュリーズが誤射され、那覇空港沖に墜落したが、幸いなことに搭載核爆弾は不発で、もし、爆発すれば沖縄は消滅する危機にあったことも兵士証言で明らかにされたが、背筋か凍りつく。この事故は最秘密事項にされ、沖縄県民には知らされることはなかった。
 このスクープ映像で、長野県民は特に、心して見るべき場面があった。池田内閣の外務大臣小坂善太郎議員(1912-2000 信越化学工業取締役)の発言記録である。彼は長野第一選挙区民が選んだ国会議員であった。
 (小坂善太郎外務大臣)「沖縄にはメースなどの武器を持ち込まれる際、事前に一々発表されるため論議が起きているが、これを事前には発表しないことはできないか」
 (ラスクアメリカ国務長官)「アメリカの手続として、何らかの発表を行うことは必要と思われる」
 (小坂善太郎外務大臣)「事後に判明する場合には、今さら騒いでも仕方がないということで論議は割合に起きない。事前に発表されると、なぜ止めないかといって、日本政府が攻められ る結果になる」
 核の持ち込みは、非核三原則によって本土への核持ち込みは困るが、沖縄には、どうぞご自由に。それを県民に知らせる必要はない。と言っているのである。
 この代々変わらない政府の沖縄蔑視姿勢によって、沖縄県民が米軍基地被害にあえいでいる原点である。
 このような歴史への責任の一端は、長野県民に関わりがあったことを心に刻み、今の沖縄にどのように向き合うべきかを考えようではありませんか。
  次回は10月8日の寒露の時です。
  

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